全国合宿レポート
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平成25年度全国合宿レポート

合宿支援スタッフ 競技運営部会長 高畑秀規(香川県立笠田高等学校) 

■合宿第5日目 … 2013/12/25(Wed)

■散歩・体操 … 6:30〜

サイクルスポーツセンター大駐車場の周囲を散歩、準備体操をした後体調確認を行った。

快晴で2日振りに富士山もその姿を見せたが、相当冷え込んでおりドームの屋根に着氷していた。

■走行トレーニング?(南333m走路) … 8:00〜11:00

練習開始時の外気温は氷点下になっており、走路の一部分が凍りついていた。

走路が使える状態になるまで待たざるを得ず、ウオーミングアップの補強運動を長めに設定した。

メニューは腹筋3分×1本+90秒×1本、手押し車で走路外周を1周、フォワードランジを組み合わせたジョギング1周、15人一列の隊形で最後尾から先頭の位置に一人ずつ移動していくブルーバンド内ジョギング10周。

トレーニング#15は4班編成によるスプリンターレーン内での20周走をギア比47T×15Tで実施した。

その後ギア比を自由に変更してトレーニング#16であるケイリン順位決定戦を3組と、ポイントレースの第2ヒートを実施した。

ミーティングで指導のあった「自分のレースプランを実現する」という課題を多くの選手が実践して、どのレースも積極的な展開が繰り広げられた。

しかし、250m走路と比較して走りやすい走路だったこともあり、軽微な違反行為が数件見受けられたが、その都度初日の規則講習の内容を復習しながらの丁寧な指導を受けた。


早朝の富士山と伊豆ベロドーム

■閉講式 … 12:10〜

全員で集合写真を撮影した後、坂井田理事長と合宿担当の強化育成部会員から終わりの挨拶、諸連絡があり全ての日程を終了した。

伊豆ベロドロームをメインのトレーニング会場とした合宿は今年で3年目となり、回を重ねるごとに充実した内容となっている。

競技力を向上させるための日常生活での心構えや、最新トレーニング理論の学習とその実践、寝食を共に過ごした全国の仲間との交流等、参加者にとって大変有意義な合宿になった。

この知識と経験を、自分の学校だけではなく都道府県の仲間と共有して、専門部全体の財産となっていくように心がけてほしい。


閉講式

集合写真
■合宿第4日目 … 2013/12/24(Tue)

■散歩・体操 … 6:30〜

昨日同様サイクルスポーツセンター大駐車場の周囲を散歩、準備体操をした後体調確認を行った。

その後朝食の会場にてJCFジュニア合宿にテスト参加する4名の推薦者が発表され、午前中のベロドロームでのトレーニングに合流した。

■競技規則講習II … 8:00〜8:45

予定されていた練習会場が使用できなくなったため、午前中の日程を一部変更して機材に関する規則の講習を実施した。

自転車の構造の変遷や、現行の規則で特に注意するポイントおよび2014年1月1日発効の機材に関する規則を中心に学習した。

■ウエイトトレーニングII(サイクルスポーツセンター内ウエイトトレーニング場) … 9:00〜11:00

昨日学んだメニューを各学校に帰った後自分たちで実践していくことを想定して実施した。

3つの班でそれぞれリーダーを選出し、リーダーを中心にしてメニューを設定してトレーニングを進めた。

指導者はその様子を見守りながら選手たちの求めに応じてアドバイスしていくスタイルをとった。やらされるトレーニングではなく自ら課題を設定して、その目的や鍛える部位を意識した質の高いトレーニングとなった。

最後に昨夜のミーティングで講話のあった自分の体のメンテナンス方法について実践するために自転車競技選手に必要なストレッチングを体験した。

◆JCF合宿合流組 <伊豆ベロドローム>

トレーニングの様子を見に行ったときはメインメニューのF2000mTを実施していた。

これまで未経験だったコーナー部分で走路に向かって押しつけられる力への対応に戸惑っていた。密度の濃いトレーニングばかりであるのでかなり身体的な負荷がかかっているようだが、ナショナルチーム入りの大きなチャンスでもあるので最後までやり遂げてほしい。

■走行トレーニングIV(伊豆ベロドローム) … 13:30〜18:00

JCF合宿が333m走路でのトレーニングであったため、250m走路の経験を増やすためにJCF合宿に参加していた4名はこちらのトレーニングに合流した。

昨日と同じ補強運動をした後トレーニング#12を実施した。

ギアを49T×15Tに変更して、DHハンドルでの20分間走を3〜4名編成の合計8チームで行った。

DHハンドルでの走行及び先頭交代は初めての経験なので、チーム同士の追い越しが発生しないように速度を調整したスプリンターレーン内走行での外側交代を指示された。

トレーニング#13はフライングダッシュからのチームパーシュート方式の2000m走(以下F2000mT)で、ギアを49T×14Tに変更。3名のチームは1500mの距離で実施した。

走路の4コーナー内側から4人そろって走り出し、3周の助走の後フライングダッシュからタイム計測をした。走行順は各セットごとに交代して合計4セットを実施した。

トレーニング#14は実戦練習となりケイリンとポイントレースから1種目を選択して実施した。

250m走路の特性を考えて、ケイリンでは多くの選手が積極果敢な先行策を取り、10kmの距離でのポイントレースではラップ狙いの戦法が見られた。ギアは選手が自由に選択してレースに臨んだ。大変貴重な実戦練習となった。

トレーニング#15はリカバリー走。

ギアを47T×15Tに交換して4〜5名1チームでスプリンターレーン内を10分間走行した。

■ミーティング … 19:40〜20:10

サイテルの研修室にて4日目のミーティングを実施した。

本日のトレーニングの総括と、トラックレースにおける勝負どころの見極め方ついての話があり、引き続き強化育成部会員より1本の講話があった。

講話では過去2回の合宿の参加者と今回の参加者を比較した感想と、好成績を修めることができる選手の要素について、日本のトップアスリートの高校時代のエピソードを交えて熱く語っていただいた。

最後に合宿を総括する感想文の記述方法について連絡があり、21:30の就寝にて第4日目の日程を終了した。


ウエイトトレーニングのメニューを各自が決めて行う

回復を促するストレッチング

JCF合宿でのハイスピード走行

JCF合宿の密度の濃い練習スケジュール

フライング2000mTT

模擬レース(ケイリン)

模擬レース(ポイント・レース)
■合宿第3日目 … 2013/12/23(Mon)

■散歩・体操 … 6:30〜

昨日同様サイクルスポーツセンター大駐車場の周囲を散歩、準備体操をした後体調確認を行った。

■走行トレーニングIII (伊豆ベロドローム) … 8:10〜11:40

1分間の腹筋運動では1セット目と2セット目に膝の角度を変えて行い、回数をこなすだけではなく、腹筋のどの部位に刺激が与えられているかを意識するように指示があった。その後は手押し車歩行20m2セット。

ギアを47T×15Tに交換してトレーニング#8を実施した。

ステイヤーラインを基準とした2グループによる2列併走20分間走で、走行の基準となるラインは本日もステイヤーラインである。目安となるラップタイムは1周19秒(時速約47km)に設定された。

ギアを47T×14Tに交換してトレーニング#9を実施した。

4名または5名でチームを編成し、フライングダッシュからの1000m走(以後F1000mTと略)。

ホーム側走路の内側フェンスにつかまった状態からスタートし、3周回の助走の後4コーナーからスプリンターレーン目がけて駆け降ろす。

一人1周回ずつ先頭を引き、中央線に到達したらチームスプリント方式で外側に離脱していく。走行順は各セットごとに交代し、合計4セット実施した。

最終セットで2選手の接触による落車事故が発生したが大事には至らず、その後トレーニングに復帰することができた。落車事故の際にも木製走路の場合はアスファルト製走路と比較して選手へのダメージは少ないことをあらためて感じた。

ギアを48T×14Tに交換してトレーニング#10のウオークアップスタート250mを実施した。

4〜5名が縦一列となり、内側フェンスから歩行に近い速度で中央線へ進んでいく。クランク位置が各自のポジションに達したらスタートを切り、トップスピードになるまで加速していく。

午前中の最後トレーニング#11はリカバリー走。ギアを48T×15Tに交換して4〜5名1チーム10分間走行した。ハイギアトレーニングで受けたダメージからの回復を促すことを目的にしてスプリンターレーンを中速で走行した。


フライング1000mTT

ウォークアップスタート

トレーニング内容に合わせて頻繁にギアを交換する

■ウエイトトレーニングI (サイクルスポーツセンター内ウエイトトレーニング場) … 14:30〜16:40

ウエイトトレーニングの意義やその目的について全員で再度確認した後、これまでのウエイトトレーニングの経験により3つのグループに分かれて実施した。

今回のメニューは大きく分けて

(1)フリーウエイトとパワーラックを使用したトレーニング

(2)専用の道具を必要とせず主として自分の体重やパートナーの補助を利用したトレーニング

(3)体幹を鍛えるためのトレーニングの3種類である。

3つのグループが約40分毎にローテーションして3種類全ての講習を受けた。

どのトレーニングも自転車競技に必要な筋肉や神経系を効果的に刺激して鍛え上げていく内容ばかりであった。


フリーウエイトトレーニング

自体重とパートナーの補助によるトレーニング

体幹トレーニング
昨夜配布された資料を参考にする

■アンチ・ドーピング講習会 … 17:30〜18:00

(公財)日本アンチ・ドーピング機構から派遣された講師をお迎えして、ドーピング防止規則違反になる行為についての話を聞いた。

今回の参加者にはアンチ・ドーピング検査の対象となった選手はいなかったが、彼らの競技力から考えると来シーズンには対象者(優勝・ランダム抽出)になる可能性は高いので、より一層の関心をもって熱心に話が聞けていたようだ。

■ミーティング … 19:40〜20:15

サイテル研修室にて3日目のミーティングを実施した。

本日の総括と明日のトレーニングメニュー変更について強化育成部長より連絡があり、引き続き強化育成部会員より2本の講話があった。

まず1本目は日々の体調管理の重要性とそれがトップコンディション作りに直結していることについてのお話であった。

体調管理の指標として毎日決まった時間に体重測定をすることの意義や、自分の体のメンテナンスについて具体的な例をあげたレクチャーがあった。

2本目はトレーニングによる疲労からのリカバリー方法についてであった。

トレーニング後にすみやかに糖質を摂取することの必要性や、疲労物質といわれている乳酸を速やかに除去する目的で行われているクーリングダウンの科学的根拠について説明があった。

昨日と同じく21:30の就寝にて第3日目の日程を終了した。


アンチ・ドーピング講習会
■合宿第2日目 … 2013/12/22(Sun)
■散歩・体操 … 6:30〜

玄関前に集合・点呼後サイクルスポーツセンター大駐車場の周囲を散歩した。

その後選手代表の指揮による準備体操で体をほぐした。明日以降も指揮者を日替わりで担当していき各学校の準備体操を経験する予定である。


富士山を背景に朝の散歩
■走行トレーニングI[南333m走路] … 8:30〜11:00

ウオーミングを兼ねて2人一組の補強運動からトレーニングを開始した。メニューは腹筋運動3分間連続を2セットと、「手押し車」(腕立て伏せの姿勢で両足を支えてもらいながらの歩行)。アップダウンのある走路外周通路を適宜交代しながら1周歩行した。

普段から補強運動をトレーニングに取り入れていない選手はかなりつらそうな表情で取り組んでいた。体幹の筋力を鍛えるトレーニングは競技力向上の有効な手段であるので、今後各学校でも継続して取り組んでほしい。

トレーニング#01は4グループに分かれて2グループ1組での20分間の並列走行である。

インを走行するグループはブルーバンドに降りて先頭交代をして、アウト側を走行するグループは走路上方へ移動して先頭交代する。先頭交代の場所は2センターに統一するように指示を受けた。今回の合宿には可能な限りスピードメーターを装着するように連絡されており、それを目安にして速度を調整した。時速35kmからスタートして徐々にスピードを上げていき、最終的には時速40km程度で走行した。使用したギアは48T×15Tであった。

10分の休息の後、イン側とアウト側のグループが走行位置を交代して20分間走の2本目を実施した。走行の基準線が走路中段に引かれているステイヤーラインに変更になった。使用したギアは48T×15Tであった。

ステーヤーライン付近での周回練習は国際試合時のトレーニングではスタンダードになっている方式である。速度が上がっていないチームはステイヤーライン付近を走り、フライングダッシュやレーススピードで巡航するメニューはスプリンターレーン内での走行になる。走行速度とメニュー毎にエリアを分けて事故を防ぐスタイルであり極めて合理的である。

トレーニング#02はフライングダッシュによる200mタイムトライアルであった。

4コーナー上方の走路外周の待機場所から2周回して、最後の200mのタイムを計測した。外気温7度というコンディションと軽めのギア設定であるため目を見張るようなタイムの選手はいなかったが、トラック練習が困難な地域の選手たちはハイスピード走行の感覚を取り戻せた様子だった。


腹筋運動

手押し車

走行トレーニング#01(前半)

走行トレーニング#01(後半)

トレーニング#02(200mFTT)

■走行トレーニングII(伊豆ベロドローム) … 13:30〜17:30

午前中と同様補強運動からトレーニングを開始した。

腹筋運動は全速力で1分間を1本と、手押し車20mを2本実施した。漫然と回数をこなすことよりも正しい動作を意識して行うように指導があった。

トレーニング#03はいよいよ周長250m走路での走行練習である。

インフィールドから走路に出入りする際のスロープの使い方や、スリップ事故を防止するための速度の目安(時速25km以上)について指示受けた後走路に出た。初めて木製走路を走る選手がほとんどであるので、慣れる目的ででフリー走行を15名ずつの2グループに分かれて20分間実施した。使用するギアは午前中と同じ48T×15Tであった。

ギアを48T×14Tに交換してトレーニング#04を実施した。

トレーニング#01の後半と同様、ステイヤーラインを基準とした2グループに分かれた2列併走での20分間走で、走行の基準となるラインはステイヤーラインである。目安となるラップタイムは1周20秒(時速45km)。序盤は緊張のせいか体に余計な力が入ってしまったフォームの選手が多かったが、すぐに状況に順応して20分後にはほとんどの選手が滑らかなフォームで走行ができていた。

トレーニング#05は#04と同じ内容をイン側走行とアウト側走行の位置を交代して実施した。

走行する前にトレーニング#04で見受けられたいくつかの問題点について指導者より指摘があり、それを改善していくための具体的な指示を受けた。理解力と修正力に優れている選手が多いので、先ほどとは見違えるような美しい姿の集団走行となった。

トレーニング#06は再びイン側走行とアウト側走行の位置を交代して20分間走を実施した。

本部エリアにはホワイトボードを準備しており、トレーニング開始時刻や内容を明示している。選手達はその情報を見てギアの交換や装備の準備等をしていく。

トレーニング#07は20分間走の4セット目となる。本日の走行練習最終セッションであるので、疲れているけれども集中力を維持して落車事故が起きないように指導者より注意喚起があった。

体調不良により残念ながら途中1名が見学となったが、落車事故もなく走行トレーニングが終了した。

■ミーティング … 19:40〜20:30

サイテルの研修室で2日目のミーティング。

強化育成部会長からの講話があり、その後明日の日程確認とトレーニングについての説明があった。その後強化育成部会員より2本の講話があった。

1本目は指導者の豊富な経験に基づく「全国大会で勝利を修めるための要素」について話があった。今年高校日本一になった選手の日常のトレーニングやレースに臨む姿勢について貴重な話を聞くことができた。

2本目は明日の午後に予定されているウエイトトレーニングについて話を聞いた。そのねらいとするところや基礎知識、プログラムの組み方および具体的なフォームについて写真入りの資料をもとに学習した。

昨日と同じく21:30の就寝で第2日目の日程を終了した。


トレーニング#03(250mバンク走行)

トレーニング#04(2列併走20分間走)

トレーニング#05(20分間走)

ホワイトボード
■合宿第1日目 … 2013/12/21(Sat)

本日より4泊5日の日程でトラック全国合宿が日本サイクルスポーツセンターで始まった。

参加選手は全国各ブロック等から推薦された男子30名であり、指導者は強化育成部会員に支援スタッフを加えた10名の陣容である。

昨年のこの合宿においては優秀な成績を修めた選手がジュニアナショナルチームに推薦され、大分インターハイでは優勝者を何名も輩出することができた。今年もこの合宿をステップにして参加選手達が来年度の国内外のレースで大活躍することを期待したい。

■開講式 … 15:30〜

伊豆ベロドローム会議室において執り行われた。

強化育成部会長よりこの合宿の趣旨について講話があり、その後指導者の紹介、今後の日程や宿舎での生活の注意点について説明があった。

初日ということもあり選手たちはやや緊張した面持であったが、その表情からは合宿に対する意気込みを大いに感じ取ることができた。


開講式

■パフォーマンス測定 … 16:00〜 

本格的なトレーニングの開始に先立ち、インフィールドでwattbikeを使用したパフォーマンスの測定を実施した。

ウオームアップの後、6秒間ダッシュによるピークパワーの測定と、200m相当走行時のアベレージパワーと回転数、最大の回転数を測定した。

合宿中の実走データと比較することで、今後全国各地の学校でのトレーニングにおいて新しいメソッドとなる可能性について検討していく。


パフォーマンス測定

■競技規則講習 … 18:00〜

会議室において競技規則に関する講習を受講した。

競技運営部会長より大分インターハイにおける違反行為による制裁と落車事故についての事例説明を受け、走行に関して特に注意する点や事故回避の手段について学習した。

レースでベストパフォーマンスを発揮するためにも、競技規則に関して理解を深める必要があることを確認できたようだ。

■ミーティング … 19:50〜

競技規則講習終了後、スタッフの車に荷物を積み込み徒歩で宿舎のサイテルへ移動した。体作りの基本である高タンパク質の夕食を摂った後、会議室でミーティングを実施した。

明日から始まる本格的な集団走行トレーニングについての諸注意および移動方法について確認をした後、強化運営部会員から2本の講義があった。

本日の講義の内容は競技力を向上させるための基本的な心構えと食事に関する留意点についてであった。

この後は21:30に消灯・就寝となり合宿第一日目を終了した。


競技規則講習